2月議会一般質疑



2004年3月8日、市議会で森本議員が障害者問題について 質問した内容と、回答は以下の通りです。



T.障害者支援について

 (1) 市営住宅入居の際の連帯保証人について
森本  本市は、「北九州市障害者施策推進基本計画」に基づき、 障害があっても地域で生活できることが当たり前の社会を目指している。
 しかし、実態としては、生きていくための基本となる 「住居」の確保に苦労されている障害者が多いと聞いている。
 賃貸契約を結ぶ時に保証人が必要だが、単身者の場合、 この不況下では親族以外になかなか連帯保証人となってくれる人を見つけられない。 本市は、市営住宅の入居に際し、連帯保証人を求めているが NPO法人などの団体が連帯保証人になると申し出た場合、認めてくれるのか。
保健福祉局長  市営住宅の入居にあたり、連帯保証人を立てることを求めており、 その条件として市内に住所を所有し、 かつ入居者と同程度の所得を有することを求めている。
 保証人には、個人になってもらっているが、法人としては、 留学生の住宅確保を支援している (財)北九州国際交流協会を保証人として認めている。
 障害者の連帯保証人として、NPO法人が扱えるかという点については、 具体的な案件に即して検討したい。

 (2) 障害者専用室内温水プールの設置について
森本  現在、多くの障害者が車椅子バスケットボールなど いろいろな種目のスポーツに親しんでいるが、 その中でも身体への負担が少なく、リハビリにもなり、 個人で親しめる水泳の人気は高いものがある。
 けれども残念なことに、本市には障害者が日頃練習できるプールが不足している。 民間のプールは費用がかかり、バリアフリーがなされていないところがほとんどで、 若松や新門司の市営プールはバリアフリー化しているそうだが、 障害の程度によっては、付添い人がいないと 使用を認められない場合もあり、使い勝手が悪いと聞いている。
 小倉南区春ヶ丘の障害者スポーツセンターには プールが設置されているが、屋外にあり温水でないため、 年間7月と8月の2ヶ月間しか使用できない。
 このような状況で、水泳を続けていくことは困難である。 障害があっても、ひとりで利用できる 障害者専用の室内温水プールを市内に是非設置してほしい。
保健福祉局長  障害者専用のスポーツ施設を整備するのではなく、室内プールを始めとした 障害者や高齢者の利用が多い施設のバリアフリー化を進めていく。
 現在、市営プールは4ヵ所あり、そのうち新門司温水プールと若松体育館プールは、 既にスロープや障害者用トイレなどが設置されている。 その他の市営室内温水プールも、今後バリアフリー化を計画的に進める予定。




U.こころの健康について

 長引く不況や急激な社会環境の変化によって、 日本においてもこころの健康に不調をきたす人が、年々増えている。
 精神科等の医療機関受診者は急増し、ここ数年、自殺者は年間3万人を越えている。 自殺の9割は、うつ病を中心とした心の病によって正常な判断力が失われて とる行動と言われており、自殺防止にはうつ病の治療が重要になってくる。
 本市には、精神科の受診者数や精神障害者手帳交付数等から 約1万人が何らかのこころの問題を抱えていると推測できるが、 100人に1人というのは深刻な状況である。


 (1) 相談窓口について
森本  1番身近な各区役所の「保健福祉相談コーナー」では、 午後5時までしか相談を受け付けておらず、 多忙な方や働いている場合には利用できない。
 夜間及び休日の面接による相談や電話による相談に対応できる窓口の開設、 また、本市のホームページに相談業務や内容を一元化して掲載し、 市民が自分で必要な情報を容易に検索できるよう充実を図ればよいのでは。
保健福祉局長  市が委託している「精神障害者地域生活支援センター」が、 平日の夜8時までと、土、日、祝日の訪問・電話相談を実施。 ホームページは市の精神保健福祉センターなどが開設している。


 (2) 相談機関の連携について
森本  悩みを抱えている市民やその家族が相談窓口に来ても、 医療機関や関連団体などの情報を紹介するだけになっていると聞いている。
 相談者にただ連絡先を渡すだけでなく、 その場で医療機関等に電話をして相談者の名前や相談内容を伝えるなど、 他の機関につなぐ・とりつぐという意識も必要。
 また、複数の問題が絡み合った相談内容の場合に、 窓口での情報が縦割りになっていると 相談者が複数の機関にそれぞれ足を運んで説明しなくてはならない。 そういう場合に、行政が仲介してすべての紹介先にとりつぐと、 後の相談者の問題解決までの手順がスムーズに進むのではないか。
保健福祉局長  他の機関につなぐ必要がある場合、区役所に配属している精神保健福祉相談員が、 他機関の窓口担当者との電話連絡や相談者と同伴している。
 家庭環境が複雑なケースなどは「精神障害者地域生活支援センター」のスタッフと 区役所の相談員が連携して、家庭や他の機関の訪問を行っている。


 (3) うつ病の取り組みについて
森本  自殺の背景にはうつ病が潜在していることが多く、早急な対策が必要だが、 本市はうつ病予防や対策について、どのような取組みを行っているのか。
保健福祉局長  うつ病を含むメンタルへルス関連の記事を市のホームページに掲載し、 啓発ビデオ・パンフレットの作成、市民を対象とした講演会の開催、 うつ病当事者等の自助グループの支援などを行っている。