12月15日午後1時から障北連の第8回定期総会が
障がい者スポーツセンターの3階会議室で行われました。
総会は24名の会員と16名の委任状で開催されました。
秋吉会長の代表挨拶の後、
来賓として参加した北九州市保健福祉局 障害福祉課長の山田祐司氏より
北九州市が取り組んでいる障害福祉行政について説明がありました。
特に障がい者総合福祉法が本年4月から施行され、
難病者が新たに障がい者の仲間に加わるなど
国の行う障害福祉行政の変更点が説明されました。
また、北九州市政の中の特徴的な変更点である
総合療育センターの再整備についての説明もありました。
総合療育センターのある春が丘地区には同センターをはじめ、
特別支援学校・障害がある人の就労訓練等を行う春が丘学園・
発達障がい者支援センターなどの障害福祉関連の施設が設置されており、
各施設の充実及びより効果的な連携を図るため再配置を行うということでした。
その後、質問受付となり、
秋吉会長から難病者の扱いについて今後の考え方について質したところ、
難病の指定対象を現在の56疾患から300以上に対象を拡大するとの
現状報告がありました。
また、活動方針に対する質問で、
現在の療育センターの使い勝手が悪いことを
どのように受け止めているのかとの質問があり、
秋吉会長から来年3月に向けて
基本的な見直し案を市が固めるとの取り組み状況が説明され、
どのような診療科の充実を求めるのか・ベッドの増床をどの程度求めるのか・
他の医療機関との連携をどのように求めるのかなど、幅広い意見を聞き、
障団連を通じて要求する考え方が示されました。
また、精神障害当事者の意見として、
自分の障害が家族に理解されない・
精神障がい者に対する社会的偏見がある・
家族会で親の考え方が全面に出て
子どもである当事者の気持ちとは異なる場合があるなど、
障北連ももっと障害当事者の参加を求めた方が良いといった
意見や質問が出されました。
それらの意見に、秋吉会長からは、
障がい者運動をする団体にはそれぞれ目標や理念があり、
患者団体や障害当事者の意見を中心に活動する団体、
さらに障がい者の家族が中心になる団体など、
運動の進め方に違いがあり、
それらの中で障北連の結成の趣旨は
国連の国際障がい者念の取り組みを出発点としており、
障害のない市民が障がい者問題を一緒に考えて障害のある人とない人が
共に幸せに生きる社会をどのように作るのかということが
運動の理念であることが伝えられ、
さらにこの9年間、
現職の市会議員が事務局長を務めるという障北連の在り方が
多くの障がい者団体から熱い期待を受けている現状についても説明がなされました。
その後、役員体制の一部変更を含め、活動方針が以下の通り確認されました。
第8回 障北連定期総会
2013年12月15日
活動方針案
はじめに
民主党の公約では、障がい者自立支援法を廃止して
抜本的な障がい者関係新法が作られるということでした。
その為、障がい者自立支援法の問題点を争点とし、
裁判闘争を行っていた人達も裁判所から和解勧告に従い争いを取り下げました。
その趣旨は、自立支援法は廃止されるのだから
新法の中に障がい者や障がい者団体の意見を十分反映させることの方が
より良いのではないかとのことでした。
本年春に実施された障がい者総合支援法について、
同法では長年積み上げてきた障がい者団体の代表も交えた
大変な量の意見書がほとんど生かされることがなく、
障がい者団体にとっては残念な内容になり、
厚生行政を支配している中央官僚の厚い壁を突き破ることができませんでした。
しかし法律の名称が変わったことと合わせて多少の改善は図られており、
難病に苦しむ人たちも障がい者と同様のサービスが受けられるということで、
長年取り組んできた難病連の皆様には前進的決着であり、
喜ばしいことだと思っています。
そして、難病に苦しむ人たちと従来の障がい者として区分されていた人たちとの
運動的統一性を求めることが今日の課題となっており、
新たな障がい者運動を創造するとの観点から障北連的にも取り組んでいくこととします。
また、昨年スタートした北九州市の六カ年計画が2年目を迎えました。
利用者の声や市民の声など、現状の問題点把握に努め、
改善要望があれば取り組んでいくこととします。
なお、具体的な活動方針については
主要な項目について以下の通り取り組むこととします。
1. 西部障がい者福祉会館については、
今春、黒崎駅前コムシティビルに移転を完了しました。
旧施設と同等以上の設備の充実を求めてきましたが
改装工事という制約の中で移行したのが現実です。
そこで働く人の意見や利用者の意見なども総合的に
調査をしながら今後とも改善要求に取り組んでいくこととします。
その中でも、現行の点字図書館についてはその充実を強く求めることとします。
点字図書館運営上のスペースの確保をはじめ、
点字図書館の活動を支えている点訳・音訳のボランティアの皆様が十分活動し、
交流できる施設も合わせてその充実を求めます。
また、今日の情報化社会の進展の中で見過ごされている視覚障がい者に対しても、
今の高度情報化社会の恩恵が新たなサービスとして実施されていることを求め、
点字図書館という名称についても今後検討されるよう求めていくこととします。
2. 旧障がい者スポーツセンターの跡地利用については、
今秋解体工事が始まり、療育センターの建て替え問題とも関連しながら
市の構想が示されています。
あわせて、小倉南特別支援学校の敷地の一部並びに公園などを利用した
小倉南地区図書館の建設が基本的な方針として確認されました。
今後ともこの春が丘・若園周辺が福祉ゾーンとして果たしていた役割を
再度確認するとともに、図書館についても福祉機能を備えた新たな発想での
建設計画を求め、取り組んでいくこととします。
3. 従来から施設の狭隘問題をはじめ、
課題となっていた小倉南特別支援学校の充実策については、
現在の門司商業高校跡地を利用した新たな施設の建設が確定したとのことです。
今後開所までの約2年間の取り組みとなりますが、
従来から課題となっていた特別支援学校の充実策を求めるなど、
現在検討されている内容を早急に確認すると共に具体的検討を行うこととします。
4. 従来から障北連が主張していた療育センターの在り方について、
新規建て替えの市の考え方が示されました。
障団連的にも市の担当者からの意見を聞き、基本計画がまとまる今年度いっぱい、
わたしたちの要望や意見をあげることとなりました。
障北連としては、利用者の声・利用している家族の声・そこで働いている人の意見
などを総合的に集約しながら今年いっぱいを目処に取り組むこととします。
具体的には森本事務局長を中心に、その具体化を行うこととします。
5. 昨年オープンした障がい者スポーツセンターの充実策として
障北連が従来から要求していた、
障がい者スポーツの指導員の配置について求めることとします。
障がい者がスポーツに親しむことは決して容易なことではなく、
障害の特性に応じた指導員がいなければ
スポーツを始めることさえ困難な障がい者が多いというのが現状です。
6. 上記以外にも様々な課題がありますが、森本事務局長を中心に、
市政については長野議員(小倉北区)・福島議員(門司区)をはじめ、
県政に関わる部分については元県会議員の若狭顧問の力も借り、
教育問題については高教組や福教組の、市行政については市労連、
労働問題については全国一般など、
関係団体役員の参加で障北連の全体的な総合力を発揮しながら、
集団指導体制の充実に向け取り組むこととします。
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