第10回 定期総会
| |
12月13日正午に幹事会メンバーが集合し、 事前の役員会を開催しました。 12時30分から昼食をとりながら一般会員の参加を待ち、 午後1時から2時にかけて第10回定期総会を開催し、 以下のとおり質問及び執行部の見解を述べ、また、 いくつかの意見については現状の通り受け止めることとした。 【 質問 1 】 障がい者差別解消法という言葉は差別禁止法と どのように違うと理解しているのか。 【 回答 1 】 本来国連的世界的表現は差別禁止法となっている。 その強い言葉に対し、日本の政府及び 法案作成に関わった官僚達の姑息な手段として、 少し意味合いの弱い解消法という 名称に変えられたと理解している。 この不十分さについては、私たちが 運動的に克服する課題だと受け止めている。 【 質問 2 】 障害者の「害」をひらがなの「がい」と 表記することについてどのように理解をし、 受け止めたらよいのか。 【 回答 2 】 近年、日本社会においては様々な言葉が 従来の表記と変えられています。 例えば、精神分裂症は統合失調症となり、 成人病は生活習慣病となり、 養護学校は特別支援学校となっています。 それぞれ意味合いは異なりますが、 その根底に流れる理念については このように受け止められます。 人間の精神が分裂しているという表記は 人権感覚としてよろしくないとの思いであり、 成人病を生活習慣病と変えたことは 正しい病気の受け止め方であり、 教育的観点から養護学校という表記を 特別に支援をしなければならない学校だというのは 生徒の人権に配慮をした教育的考え方だと思います。 それに比して、障害の「害」という字のイメージが悪いので ひらがな表記の「がい」に変えるというのは、 その変更する思想に深い理念や哲学的意味は感じられません。 少し安直な対応だと思っています。 しかし、障がい者の立場に配慮をし、 「害」という字をひらがなにすること自体を 否定するものではありませんから、 わたしたちも行政の方向性に賛同し、 そのような表記を準用しています。 少し話題は変わりますが、かつては障害の「害」を 高圧線などの電気の流れを絶縁する 碍子(がいし)の「碍」という字を使っていた時代もあり、 漢字表記にはそれぞれの漢字に秘められた意味があると思います。 例えば、障がい者の表記について、 障害のある人も障害のない人も共に生きる者との意味合いで 「障がい者」という表記を「共生者」と変えよう と日本で統一的に使用しようという考えがまとまれば、 「身体共生者」「知的共生者」「精神共生者」と 変えていこうという合意が形成させるなど、 名称の変更へはその変更理由に理念や哲学が なければならないと理解しています。 【 質問 3 】 来年の方針で、社会見学的な活動を 入れた方が良いのではないでしょうか。 【 回答 3 】 例えば、障がい者の医療を担っている療育センターなどは 適切な施設ではないかと考えています。 特に知的障がい者の歯科医療について 私たちはその意味を大きく受け止めています。 ですから、療育センターの建て替え・見直しにあたっては、 西部にできる療育センターの分室についても 歯科医療が出来るべきだとの主張をしています。 苦痛によってパニックを起しやすい 知的障がい者の人達にとっては、 普通の市内にある歯科医院ではパニック障害をおこし 治療を受けることが出来ません。 しかし、療育センターであれば全身麻酔で 意識を失わせた後に治療をすることが可能です。 このような障がい者の特性に応じた医療の充実を 私たちは運動的に追及しなければならないと思っていますし、 そのような活動が生かされる施設見学について 次年度の事務局会議で検討すべき課題だと受け止めています。 【 質問 4 】 会費を一口500円から1000円にしてはどうか という提案について、財政的に負担が厳しい人も いるのではないか。 【 回答 4 】 確かに1口500円で負担する人、 生活的余裕があれば2口3口と増額することは 現状でも対応可能な事だと考えています。 これらの取扱いについては、次年度以降 この対応を事務局会議で検討し、 幹事会で論議する課題とします。 【 その他の意見 】 特別支援学校の教員を体験した立場から、 エレベーターの設置について作ればよいとの判断から、 小型で使い勝手の悪い物がつけられている実態にあります。 利用実態に合わせて大型化することや、 車椅子を使った移動に頼らなければならない実状に対し、 移動教室など配置教員の不足から厳しい実態にありますし、 スロープの設置も角度がきつすぎて 危険なものが設置されていることもあります。 これらの現状についても取り組んでもらいたいという意見や、 車椅子の障がい当事者の立場から バスやタクシーの利用にあたって、 中には親切な運転者もいますが、 露骨に嫌そうな態度を示す運転者もいます。 私たちが車椅子で公共交通機関を使うときには 本当に嫌な思いをする実状にあります。 ただし、JRについては社員教育がよく行き届いており、 ようは社員教育にその大きなポイントが あるのではないかと思っております。 【 執行部の見解 】 特別支援学校及び障害当事者からの体験報告は 障がい者がおかれている社会の現状・実態だと受け止め、 まさに私たちが求める障害運動の目的を再認識する課題だと 全体で理解しあいたいと思います。
|